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矜持

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 昨年、12月に観に行こうと思っていたけれど、結局予定が合わずに行けなかった「この自由な世界で」をようやく観ました。

 ロンドンの移民問題を題材に現在の自由主義経済を容認する社会を痛烈に批判した映画。

 物語の主人公、30代シングルマザーのアンジーは自らに非がないにもかかわらず会社をクビになったことから、ルームメイトのローズとともに独自に外国人労働者の派遣ビジネスを始める。その過程で、より利益を上げるために法的な保護が行き渡らずにより劣悪な環境でも耐えざるを得ない不法移民を派遣対象としていく。アンジーは「自分がしなくても誰かがやる」、「誰かを踏み台にしないと自分も勝ち残れない」という思いに駆られて、自分より弱い立場の人からの搾取を強めていく。
 物語の後半では、30余年、労働者として働いてきた父の戒め、パートナーのローズとの決別などアンジーが自らの行いを見直すチャンスが何回も訪れるものの、アンジーは方針を変えずに物語の最後には労働者を確保するためアンジーはウクライナまで出かけてしまう。

 救いのない物語。自分さえよければ人はどうでもいいのかというまっとうな父親の問いや、決して善人ではないパートナーローズですら持ち合わせている良心は、勝ち残るためにはバッサリと切り捨てられてしまう。
 本当に救いがないと思うのは、この映画は現実を極端に描いているのではないこと。ぼくのすぐ身の回りにもある現実をそのまま切り取っただけの物語なことだ。

 ぼくはちっともお金を持っていない、収入だって同級生や友人たちの中でもたぶん最低に近い額だと思う。でも、ぼくは少なくともこんなに醜い経済活動に直接は関与していない。どこかのおじさん(おばさんでもいい)を肥え太らせるために仕事をしているわけじゃない。
 その分、一般的には「やさしい」とか「若いのにえらい」とか言われるけど、まともの仕事としては認知されていない。その証拠に、この業界で働く人はみんな貧乏だし、派遣切りが社会問題になると余剰労働力の受け皿みたいに扱われたりする。
 でも、ぼくにとっては経済活動に直接関与していないというのがこの仕事をしている矜持のひとつだと思っている。
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うだうだ、ぶつぶつ。いろんなことにすぐに悩んでしまう困った人です。

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